ユータナジー
「逆に気持ち悪いと思った相手の告白にOKするなんて、どれだけ馬鹿だ?」
付き合い始めた彼女からは、死の匂いはしない。
むしろ、反対に“生き神”が宿ってるんじゃないかと思うくらい。
だから、死にたがる彼女はきっと運が良すぎる。
死にたいのに死ねないように、運命は捻られてるから。
「先輩、そういう人じゃないですか。」
「そういう人って。」
「なんか、嫌いなものに自分から立ち向かおうとする人。」
クスクスと睫の影を落として、彼女は笑う。
そこまで俺は出来た人間じゃない。