ユータナジー
ジュウ
誰かに引っ張られた気がする。
腕を掴むわけでも、肩を抱き寄せられるわけでもなく、ただ引っ張られるように。
闇の奥へいく。
私は死んだんだろうか。
一番、望んでいた死を望まなくなったから、こんな結果を招いたんだろうか。
誰かに道を聞かれた気がする。
『未来はどちらにあるのか』と。
私はただ首を振る事しか出来なかった。
闇の奥に何が待つのかすらも予想できないから。
『安楽死したい』
誰かはそう言った。
『静かに楽に…死にたい』
私は確かにそう言った。