bitter sweet
∞ 和紗 side ∞
*********
「……まったく、お前は何回私の顔に泥を塗る気なんや?」
親父の書斎――この部屋は俺にとって一番居心地の悪い場所。
「そんなんゆうたかて、悪いんはあいつらやねんもん」
「相手は“お前が先に手ェ出して来た”と言っとったぞ」
「しゃーけど、先にぶつかってきたん向こうやぞ!? “謝れ”ゆうたのにシカトしたからッ」
「言い訳は聞かんッ!!」
ドンッ、と机を叩く音にビビった俺は一瞬固まった。
「もう、これ以上お前の面倒事にこの家を巻き込むな」
親父が一枚の紙切れを俺に差し出した。
「……親父、コレなんやねん?」
「そこに私の弟が住んでいる。ちゃんと事情は話してある」
……つまり、“この家から出て行け”と。
「俺がおったら色々困るからか? ハッ! 有名進学校の学年主任の息子が問題児です、なんて恥ずかしいんやろ!?」
「…………そうだ」
「……ッ!! 言われんだって出てったるわ、こんな窮屈な家ッ!!」
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「……まったく、お前は何回私の顔に泥を塗る気なんや?」
親父の書斎――この部屋は俺にとって一番居心地の悪い場所。
「そんなんゆうたかて、悪いんはあいつらやねんもん」
「相手は“お前が先に手ェ出して来た”と言っとったぞ」
「しゃーけど、先にぶつかってきたん向こうやぞ!? “謝れ”ゆうたのにシカトしたからッ」
「言い訳は聞かんッ!!」
ドンッ、と机を叩く音にビビった俺は一瞬固まった。
「もう、これ以上お前の面倒事にこの家を巻き込むな」
親父が一枚の紙切れを俺に差し出した。
「……親父、コレなんやねん?」
「そこに私の弟が住んでいる。ちゃんと事情は話してある」
……つまり、“この家から出て行け”と。
「俺がおったら色々困るからか? ハッ! 有名進学校の学年主任の息子が問題児です、なんて恥ずかしいんやろ!?」
「…………そうだ」
「……ッ!! 言われんだって出てったるわ、こんな窮屈な家ッ!!」