bitter sweet
 待つ事10分――

 後ろから「和紗くん」と呼ばれ、振り向いた俺の目に映った人物。

「お、叔父さん……ですか?」

 目の前には、黒のロングパーカーにダメージジーンズを着た、どう見ても20代にしか見えない茶髪の男の人。

「うん、和紗くんだよね? 兄貴の子供の頃に似てるからすぐわかったよ」

「そ……っすか?」

 失礼かもしれんけど、俺は叔父さんをめっちゃジロジロ観察していた。……ホンマにコレで親父と血ぃ繋がってるんやろか。

「すぐそこの道に車停めてるから……和紗くん?」

「うあ!? はっはいッ!!」

 促され、停めてある叔父さんの車に乗り込む。







「……似てないだろ?」

 車を走らせながら俺の考えを見抜いたように叔父さんは、そう言った。

「あ、あの親父の弟っていうから、もっとイカつい人やと……」

「よく言われる」

 何から何まで親父とは正反対。俺の話をちゃんと聞いてくれるし、なにより目が優しい。

 親父なんか、まず睨んできよるもんな。

 10分も掛からへん内に車は、マンションの駐車場へと入って行った。



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