bitter sweet
 テーブルに付くと、昨日とは印象の違うマコトさんがいた。

「……今日はネクタイなんすね」

「そりゃあ、一応君の保護者だからね。それなりの服装をしなくちゃ、ね」

 それにしても、家を飛び出した昨日の今日やのに展開が早い……ような気がする。どうせ親父が根回ししたんやろうけど、マコトさんにそれを確認する気にはなれんかった。







「和紗くん……その格好で行くのかい?」

「学ラン持ってくんの忘れたんで……あきません?」

 マコトさんの言う俺の服装――グレーのパーカーにダウンベスト、Gパン。思っきし私服。

「まぁそう問題ない……かな。じゃあ行こうか」

「あ、駐車場すよね?」

「何言ってんの! 明日から毎日君が通う学校なんだから、歩くよッ」

「そっすよね……学校こっから何分くらいなんすか?」

「んー……大体12~3分くらいかな?」

 そんくらいなら歩けん事もないか。

 俺は道を覚える為に目印を見つけながら、スーツをビシッと着こなしたマコトさんの後を付いて行った。


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