bitter sweet
 さっきまでの笑顔が一転、雪和の表情が曇り出す。

 な、なんでそんな泣きそうな顔すんねんなッ!?

「い、いや……無理ちゃう、けどッ今すぐはちょっと無理……かもしれん、かな?」

「あッ! ほんなら、私の20歳の誕生日に作ってよ!」

 今度はぱあっ、と明るくなった。初めて会った時の雪和とは別人みたいに表情がくるくる変わる。なんやめっちゃ可愛いやんけ……。

「お、お前……20歳って、今から5年後やんか。さすがにそれまでには作れる思うぞ?」

「エエの! だって20歳って特別な感じするやん!?」

 特別?特別ってどういう意味や……?

「……まぁ、エエけど。お前、誕生日にって誕生日いつやねん?」

「12月24日!」

「……は!? 嘘やろ?」

 ちょー待てや……誕生日12月24日って……。

「俺と一緒やんけ……」

「ホンマに!? 和紗も同じ日? や……なんか、凄いッ」

 こんな事ってあるんや。ドラマとか漫画ン中だけの話や思てた。

「お誕生日会しよッ!! 和紗ッ!」

「誕生日会?」

「うん。私と和紗のお誕生日会! 私いっつもクリスマスと一緒にされてて、お誕生日会した事ないんよッ」



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