bitter sweet
 そう言われてみたらそうやな。“大人の事情”ってヤツで、俺もいつもクリスマスとセットにされとった。

「ケーキ用意して~、飾り付けもして~……、あッ! プレゼント交換もしたいッ!!」

 めっちゃ嬉しそうに楽しそうに話を進めていく雪和。こんな幸せそうな顔見たら、反対なんか出来る訳ないやんけ……。

「終業式終わったら、一緒に飾り付けしようね、和紗ッ!」

 う。か、可愛い……ッ。俺だけの為の笑顔、可愛いすぎるッ!

「あ、そうや。マコトさんにも協力してもらわんとねッ」

「…………え」

 ――マコトさんにも協力……確かにそうや。中学生が準備したかて、出来る事なんてたかが知れてる。それはそうなんや……わかるんやけどッ!

 雪和の口から“マコトさん”の名前を……俺以外の男の名前なんか呼んで欲しくない――!!

 俺は抱えてたギターを横に置いて、雪和をまっすぐに見る。

「もう~、和紗聞いて……ッ!?」







「か、かず……さ?」

 ――……俺は雪和を自分の腕の中に包みこんでた。

「も、もうっ。ふざけやんといてよ……ッ」

 ぎゅっ

 逃げようとする雪和を抱く腕に一層力を込める。




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