bitter sweet
∞ 和紗 side ∞
「よろしくお願いしゃーっす!!」
駅前のCDショップ――俺は今日、何度目かしらん頭を下げていた。
頭を下げている俺の前には、その店の店長らしいおっさん。そのおっさんは俺が差し出したMDを一旦手に取ったものの、すぐに俺の手に戻した。
「頭を下げられてもねぇ……うちの店、そういう事してないんだよね」
悪いね、と言いかけるおっさんに対して必死で頼み込む。
「や、もう聞いてもらうだけでエエんです! ほんでもし気に入ってくれはったら、一時間……二時間、いや三時間おきにでもBGMで掛けてくれはったらもうそれで全然!!」
押しが強いんが俺の唯一の自慢。案の定、渋々といった感じでおっさんはMDを受け取った。
「あ、あとコレ貼ってもろて構いませんか?」
B5版サイズを半分に切ったチラシを差し出す。
「“KAZUSA STREET LIVE”? “かずさ”……って女の子?」
「や、それ俺っす!」
「よろしくお願いしゃーっす!!」
駅前のCDショップ――俺は今日、何度目かしらん頭を下げていた。
頭を下げている俺の前には、その店の店長らしいおっさん。そのおっさんは俺が差し出したMDを一旦手に取ったものの、すぐに俺の手に戻した。
「頭を下げられてもねぇ……うちの店、そういう事してないんだよね」
悪いね、と言いかけるおっさんに対して必死で頼み込む。
「や、もう聞いてもらうだけでエエんです! ほんでもし気に入ってくれはったら、一時間……二時間、いや三時間おきにでもBGMで掛けてくれはったらもうそれで全然!!」
押しが強いんが俺の唯一の自慢。案の定、渋々といった感じでおっさんはMDを受け取った。
「あ、あとコレ貼ってもろて構いませんか?」
B5版サイズを半分に切ったチラシを差し出す。
「“KAZUSA STREET LIVE”? “かずさ”……って女の子?」
「や、それ俺っす!」