bitter sweet
何も考えられへん俺はその後をついていく。
「まず、君は間違いなく僕の息子だ。君の母親は君を産んですぐに……死んでしまった」
「…………」
「僕が16歳の事だったよ。君の母親はね、僕よりひとつ年下の15歳で……、君がお腹にいるとわかった時はまだ14歳だった」
14歳――今の俺と同じ年。
「彼女は『産みたい』と言った。もちろん周りからは反対され、僕は父と、当然彼女のお父さんにも殴られた」
「……なんで、その……産みたい、なんて」
「彼女は言っていたんだ。『大好きな人の子供を殺すなんて出来ない』って。僕も彼女と同じ意見だった。……だけど、低年齢の出産には命の危険が伴う」
「…………」
「彼女のお腹が大きくなるのを見る度、不安だったよ。この決断は間違いだったんじゃないか、って。でもね……彼女は、お腹の中で元気に動く君の事をとても愛しそうに……話していたんだ……ッ」
マコトさんの声が震えてる。彼女を……俺の本当の母親を思い出してるんやろか。
「そして出産予定日の1ヶ月前に、彼女は救急車で病院に運ばれた」
「まず、君は間違いなく僕の息子だ。君の母親は君を産んですぐに……死んでしまった」
「…………」
「僕が16歳の事だったよ。君の母親はね、僕よりひとつ年下の15歳で……、君がお腹にいるとわかった時はまだ14歳だった」
14歳――今の俺と同じ年。
「彼女は『産みたい』と言った。もちろん周りからは反対され、僕は父と、当然彼女のお父さんにも殴られた」
「……なんで、その……産みたい、なんて」
「彼女は言っていたんだ。『大好きな人の子供を殺すなんて出来ない』って。僕も彼女と同じ意見だった。……だけど、低年齢の出産には命の危険が伴う」
「…………」
「彼女のお腹が大きくなるのを見る度、不安だったよ。この決断は間違いだったんじゃないか、って。でもね……彼女は、お腹の中で元気に動く君の事をとても愛しそうに……話していたんだ……ッ」
マコトさんの声が震えてる。彼女を……俺の本当の母親を思い出してるんやろか。
「そして出産予定日の1ヶ月前に、彼女は救急車で病院に運ばれた」