bitter sweet
「え? コレ……私に?」

「プレゼント交換したいゆうとったやろ?」

「だって……それは誕生日会の……」

「当日俺だけあげる方が不自然やろ。交換にならへんやん」

 戸惑いながらも俺のプレゼントを受け取った雪和は嬉しそうに笑う。

「ありがとう和紗……開けてみていい?」

「……おお」

 大切そうにゆっくり、可愛く包装された包みを開ける雪和。

 気にいらん言われたらどうしよう……雪和の表情が期待に満ちている程不安になる。

「……あ、綺麗」

 真っ白なマフラー。実際に雪和の手にあるのを見ると、想像した通り雪和のイメージにぴったりやった。

「なんか、同じモンになってもうたんやけど……」

「ううん……嬉しい……めちゃめちゃ嬉しい……ッ!」

 あ、この顔や……俺がいっちゃん見たかったくしゃくしゃな笑顔。

 ……キスしたい。でも、前聞いたマコトさんの“軽はずみな行動はしない方がいいよ”って言葉がブレーキかけてる。

「和紗和紗ッ! どぉ似合う?」

 嬉しそうにマフラーを巻く雪和。別にえっかな、キス出来んくても。また突き飛ばされんのイヤやしな……。


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