bitter sweet
∞ 和紗 side ∞
12月24日
早出のバイトが終わり、ギターを抱えて商店街に着いたんが20時前。
あらかじめ店の前を使わせてもらう、と了解を取った店のおっちゃんが「兄ちゃん、頑張れよ」と声を掛けてくれた。
チューニングは済ませたし、後は雪和が来るのを待つだけや……。
「あ、いた~ッ!」
常連でLIVEしてるアマチュアバンドと違って、誰も見向きもせん俺の前に高校生っぽい女が2人近付いて来た。
「ねー、おにーさん、もしかして“KAZUSA”?」
「……あのなお前ら、せめて“さんですか”まで言われへんか?」
「おにーさん、関西人?」
「……人の話聞けや」
呆れながら、そうや、と言うとそいつらは、どっかのCDショップで貼ってたチラシの中で俺のが一番面白かったから来てみた、らしい。
「開演時間が“商店街閉まったら”なんて、どんなふざけた奴かと思ったけどぉ……、おにーさん結構カッコいーよねッ」
「……なんや、逆ナンか? 俺、ガキに興味ないで。ほらッ、曲聞かへんねやったらどっか行ってや」
冷たいかも知れんけど、気のない奴にまで優しくする余裕なんて、今日の俺は持たれへんからな~。
12月24日
早出のバイトが終わり、ギターを抱えて商店街に着いたんが20時前。
あらかじめ店の前を使わせてもらう、と了解を取った店のおっちゃんが「兄ちゃん、頑張れよ」と声を掛けてくれた。
チューニングは済ませたし、後は雪和が来るのを待つだけや……。
「あ、いた~ッ!」
常連でLIVEしてるアマチュアバンドと違って、誰も見向きもせん俺の前に高校生っぽい女が2人近付いて来た。
「ねー、おにーさん、もしかして“KAZUSA”?」
「……あのなお前ら、せめて“さんですか”まで言われへんか?」
「おにーさん、関西人?」
「……人の話聞けや」
呆れながら、そうや、と言うとそいつらは、どっかのCDショップで貼ってたチラシの中で俺のが一番面白かったから来てみた、らしい。
「開演時間が“商店街閉まったら”なんて、どんなふざけた奴かと思ったけどぉ……、おにーさん結構カッコいーよねッ」
「……なんや、逆ナンか? 俺、ガキに興味ないで。ほらッ、曲聞かへんねやったらどっか行ってや」
冷たいかも知れんけど、気のない奴にまで優しくする余裕なんて、今日の俺は持たれへんからな~。