bitter sweet
「えー、ちゃんと曲も聞きに来たもーん」
泣くか思たのに、全く悪びれる様子のない女たち。
「……雪和と正反対やな」
「“ゆきな”って誰ッ! 彼女の名前!?」
「えー、今日イヴだよー! デートしてあげなきゃダメじゃん!?」
ぼそっ、と言った言葉にこんだけ返されると思わんかった。なんや変な奴等に捕まってもーたな……。
「今日、5年振りにそいつに会うんや。そんで、今日はイヴだけやなくて、俺とそいつの誕生日! で、今日会う約束してんねや」
「マジで!? じゃあ今日運命の再会なんだ?」
「えー、じゃあさじゃあさ! 彼女来たらあたしら教えてあげるよッ! ね、ねッ何か弾いてよッ!!」
まだ帰らへんのか……コイツら。まぁ、あてにせんと待っとくか。
一曲、二曲と弾いてると突然、一人の女が俺の腕をバシバシ叩いて来た。……俺、ギター弾いてんねんぞ?
「おにーさんッ、おにーさんッ!! あれッ、あの泣いてる女の人そうじゃない?」
また適当な事を――言われて顔をそいつが指差してる方へ向ける。
薄いピンクのコートの女……真っ白なマフラーを巻いてる。
「雪和……」
泣くか思たのに、全く悪びれる様子のない女たち。
「……雪和と正反対やな」
「“ゆきな”って誰ッ! 彼女の名前!?」
「えー、今日イヴだよー! デートしてあげなきゃダメじゃん!?」
ぼそっ、と言った言葉にこんだけ返されると思わんかった。なんや変な奴等に捕まってもーたな……。
「今日、5年振りにそいつに会うんや。そんで、今日はイヴだけやなくて、俺とそいつの誕生日! で、今日会う約束してんねや」
「マジで!? じゃあ今日運命の再会なんだ?」
「えー、じゃあさじゃあさ! 彼女来たらあたしら教えてあげるよッ! ね、ねッ何か弾いてよッ!!」
まだ帰らへんのか……コイツら。まぁ、あてにせんと待っとくか。
一曲、二曲と弾いてると突然、一人の女が俺の腕をバシバシ叩いて来た。……俺、ギター弾いてんねんぞ?
「おにーさんッ、おにーさんッ!! あれッ、あの泣いてる女の人そうじゃない?」
また適当な事を――言われて顔をそいつが指差してる方へ向ける。
薄いピンクのコートの女……真っ白なマフラーを巻いてる。
「雪和……」