人の恋を笑うな
『俺はリビングにテーブルとソファーをもってきてやるよ。ただし展示会用のだったから傷だらけだぞ』


『なんでもいただく〜よかった…こたつ置く場所できて』


掃除が終わり、私は二人に何かおごるから食べにいかないかと言った


でもこの後は二人でデートらしくあっさりフラれた…


マンションには引越し用の段ボールが畳まれた状態で散乱していた


三分の一は箱詰できた。来週の日曜日までに頑張らなきゃ


荷物に囲まれて、私はまたコンビニの弁当を食べながらビールを飲んだ


引越しは23日


クリスマスイヴの前日である


私は今日の事を報告するために、社長に電話をした


『社長、無事掃除終わりました。アンティークな洋館でびっくりです。それで1階の庭側の部屋、畳ひいていいですかね?』


『ああ、いいよ。フローリングだらけだもんな。だから外人さん住んでたんだ。3人でルームシェアしてたんだけど、留学期間が切れて国に帰ったんだよ。多少住みにくいかもしれないが慣れればどうってことない』


『今日ねねさんもきてくれて部屋のアドバイスしてくれました。畳もねねさんが引越し祝いにくれるって』


『そりゃあ気前がいい。畳屋のお嬢だからな』


『ホントにありがとうございました。来週は頑張って引越し完了させます』


『頑張れよ。あと芝居のチケットとったから。24日の8時だ。忘れるなよ』


『あ、はい!嬉しいです』


社長忘れてなかったんだ…よかった


私はうきうきしながら、また荷造りを始めた
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