人の恋を笑うな
思ってた通りの展開だった…


小さな劇場で私はデカイスーツの男に挟まれて芝居を観ている…


帰りにフレンチの店で3人で食事した


そこで私と石田さんとの喧嘩の話しで、社長と島田さんは大いに盛り上がった…


『さすが乙女だな。男にも負けない』


『男まみれの職場ですから…』


『あんまり可愛いから俺キスしちゃいましたよ』と島田さんは軽く言った

『島田はキス魔だからな。気をつけろよ』と社長は笑う…少しはヤキモチ妬いてよ


食事は終わり私達はタクシーに乗り込んだ


島田さんが先に降りて、次は私の番だった


『お前に隙があるからだ』…私の唇に社長の唇が軽く重なった


『な?男はいつでも女の隙狙ってるんだ。気をつけろよ』


マジですか?これサンタさんのプレゼント?


『明日から忙しくなるからな。早く寝ろよ』


家の前で降ろされた後も私は直立不動でいた


隣の犬に吠えられても身体が動かない、カチコチだ…


こんな不意打ちのキス…卑怯だよね?


初めて体験したときよりすごい衝撃!


やっと動けるようになって、私は暖かい部屋に入る事ができた


こたつをオンにして寝転ぶ


唇が熱い…一瞬、社長を看病したときに見た夢を思い出した


あの時の熱さと同じだ。いや、あの時より熱い


私は恋する女なんだ…きっとこの地球上でもっとも幸せな女なのかもしれない


クリスマスイヴを独り占めしたような気持ちになった!



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