人の恋を笑うな
家族と仕事と結婚と…
駅からバスに揺られて30分…我が家はバス停の近くにある


都会に比べたらかなり大きな家だまわりの畑は全てうちの…


私はカートを転がして家に向かった


『ただいま、乙女だよ!』


『乙女ちゃん、お帰りぃ』迎えてくれたのは私のおばあちゃん。桜川愛子、通称ラブちゃん


『お帰り、早かったのね。晩御飯お鍋でいいわよね』晩御飯の話しをいきなりするのは、母桜川郁子、通称いっちゃん


『お疲れさん、乙女の顔見れて嬉しいよ』と奥から走ってきたのは父桜川次郎、通称…とくになし


『お姉ちゃん、お帰り。みなさん元気?』ご存知夏子、社長の弟とただいまラブラブ交際中


『いろいろ心配かけてごめん。仕事も無事正社員になったし、新しい家にも引越したし、来年は躍動の年にします!』


『まあまあそんな事どうでもいいから。テレビでも観ましょ』とおばあちゃんが言った


『仕事の事は夏子から聞いてるわよ。まあ…男まさりなあんただからいいんじゃない?』とお母さんがお煎餅を食べながら言った


『昨今、仕事のない時代にありついたんだ…文句言わないで働くんだぞ?』とお父さんはゴルフクラブを磨きながら呟いた

『ちょっと!夏子、もうしゃべったの?』


『いいじゃない。どうせばれるんだし…それに隼人さんのお兄様が経営してる会社だからみんな安心なのよ。隼人さんはうちの人気者なんだから』


『うんうん、隼人ちゃんはいい男だ。ばあちゃんは大好きだよ』


私がかっこよく話すつもりが…拍子抜けである


『あ、乙女、畑から白菜一つ引っこ抜いてきてよ。鎌は玄関にあるからさ』


『ええ!私がぁ?』


『食品会社なんて嘘ついてた罰だ!』とお母さんが怒鳴った



真冬の土は冷たく、白菜は中々とれない…鼻水流しながら鎌で私は根っこを切った…


夢のようなクリスマスイヴ…


今日は地獄の年末だよ〜!



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