人の恋を笑うな
その後は紀子のお惚気話しだった


こんな恋もあるんだな…と少し羨ましくなった


電話を切った後すぐにまた携帯が鳴った


『もしもし乙女さん?俺です。島田です』


『あら、どうしたの?仕事の事ですか?』


『違いますよ、今東京に帰ってるんです。乙女さんは?』


『地元帰ってる。今日帰ってきたの』


『なんだ…残念。東京にいたら飲みに行こうと思ったのに』


『島田さんには気をつけろって言われてますからね、危ない危ない』と私は笑った


『全然危なくないですよ〜一応会社の期待の星ですからツバつけといてください』


『尊敬はしてます。大阪のあのメンバーまとめてる人だから』


『俺は乙女さんに恋してますよ。会ってないときからです』


島田さん…そういえば電話では結構話したかな…

顔もわからない私に恋したなんて…かなり遊んでるな


『そうやって口説くんですね。もっと若い子口説いてくださいよ』


『人間くさい乙女さんが好きなんです。遊びで言ってるわけじゃないです』


『そんなの…信じないわよ』


『どうしたら信じてもらえますか?』


『どうしたらって…今からコンビニでおにぎり買ってもってきてよ』


『住所教えてください』


『お茶もね』


『はいはい』


私達はお互い笑いあった。島田さんの告白をこの時私はまだ信用してはいなかったから
< 110 / 180 >

この作品をシェア

pagetop