人の恋を笑うな
まったく…妙な気を使ってくれるよ、お母さんは


私の部屋に島田君の布団をひいたのだ…


『島田くん、勘違いしないでよね。これはお母さん達が勝手にやってる事だから』


家族は私がいくら否定しても話しを聞かない…


『わかってますよ。襲ったりしませんから。心配しないでください』


『今私の友達や妹に結婚の話し出てるから、浮足立ってるの。昨日から私責められっぱなしなのよ…そこに島田君でしょ?

明日ちゃんと話しするから』


『勘違いのままでもいいんだけどな』と島田君は笑った


『私が困る』


『乙女さん、好きな人いるって言ってましたよね…それって三国ヶ丘社長でしょ?』


私は全身赤くなった。わかりやすい人間…


『やっぱり…芝居観てる時思ったんですよね。俺の事睨んでるし、俺がタクシーおりた時、顔がにやりと笑っていた。わかりやすいですよ、乙女さん』


『わかってるのに、なんでこんな事したの?』


『ちょっとした宣戦布告かなぁ…大袈裟だけど。なにかアクション起こしたかったんですよ。そうでないと恋は始まらないですからね』


アクションかぁ…そうだよね。何か自分で起こさないと前には進まないものね…


私じゃダメですか?って告白したときも、私的にはかなり大きなアクションだったんだけど


あの時はタイミング悪すぎた…おまけに馬鹿な夢見て笑われるし


それになんだかんだとトラブルに巻き込まれたりして…まあ今もそうだけどね


もしこんな感じで大阪のスタジオと事務所が東京に移ってきたらとんでもない生活になりそう(泣)


< 112 / 180 >

この作品をシェア

pagetop