人の恋を笑うな
『社長ただいま!』


私はインターホンに向かって元気よくよびかけた

ドアが開き、社長が私を抱きしめた


『遅い…』


『ごめんなさい…』


『こんなで感激してたら結婚式、どうなるんだろ俺…』


『失神…します?』


『うん』


こんなにきつく抱きしめられたのは初めてだ。胸がキュンキュンする…いやドキドキする…


いや苦しい!息ができない!帯にやられてる!


私はそのまま気絶してしまった…



『乙女…乙女…』


『社長』


『ごめん、強く抱きすぎた!』


私は社長の部屋に置いていた部屋着に着替えさせてもらってた


『慌てて着物脱がせたよ。大丈夫か?』


『大丈夫です。抱きしめてくれたの夢じゃなくてよかった…私のほうが失神しましたね』


『ホントだ…』


社長が私の顔を撫でた。何回もキスをして、私を確かめる


『俺ってこんなに女を愛せる男だったのかな…不思議だ』


私の指に自分の指を絡ませて、社長は頭にもキスをした


『結婚しよう…』


『私なんかでいいんですか?』


『乙女しかいないよ…』


『私も社長以外嫌だ…』


『出会った夏に結婚しよう』


『はい』


私と社長は激しく抱き合い結婚を誓いあった



その頃、もう一つの愛が生まれようとしていた
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