人の恋を笑うな
『乙女疲れてないか?』


夕飯を食べながら社長は言った


『大丈夫。仕事楽しいから』


『やっと敬語抜けてきたな。プライベートではこの調子でいろよ』


『でも社長って言葉は中々直らない。結婚式までには直すね』


今日はうちで夕飯を食べてる社長。お互いの家に物が増えていった


『結婚したらこの家また貸さなきゃな…』


『また外人さんがルームシェアしてくれるといいわね』


『そうだな…最近料理もうまくなってきた。勉強してる?』


『夏子から携帯でいろいろね。最近趣味にもなってる』


『今週、日曜日実家にいって、お父さん達と式の日取りやら決めようと思ってるんだ』


『そうか。今週しかないもんね、社長ずっと仕事入ってるし』


『5月の連休までお互いバタバタだろ?』


『そうね決算書も仕上げなきゃいけないし』


『大阪組も少しバテ気味だからフォロー頼むよ』


『了解です。じゃあ今週日曜日に行くって伝えとくわ』


社長が畳の部屋でごろ寝しだした


飲み過ぎたのか眠ってる。私はそっとタオルケットをかけた


そして2階の部屋から実家に電話した


『お母さん?乙女だけど』


『どうしたんだい?もう食べたの?』


『うん、社長きてて一緒にね。今居眠りしてる(笑)今週の日曜日、社長とそっちいくから』


『あら、なんかあるの?』


『結婚式の事決めようと思って。日曜日しか社長いけないのよ。私もこれから決算で忙しくなるし』


『急ね…まあ誰も用事ないからいいけど。あんた、ちゃんとご飯作ってる?まともなの武人さんに作りなさいよ』


『夏子さんに聞いて作ってるわよ。5月の連休まで忙しいみたいだから、体調考えて作ってますよ』


『これ逃したら…あんた一生独身で孤独死確定だからね!』


『わかってるわよ…うるっさいな…。ちゃんともてなしてよね』


孤独死確定とは…まったくあの母親は私をなんだと思ってるんだ!
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