人の恋を笑うな
畳の部屋から庭の葉桜を眺めながら、ビールを飲んだ


去年の今頃は毎日ハローワークに通っていたんだ


今はこうして葉桜を見つめてる


携帯が鳴った


『乙女か、お弁当ありがとう』


『もう帰ってるのね。お疲れ様』


『メール見て泣きそうになったよ。帰ったら掃除、洗濯、アイロン、でお弁当だろ?俺は一人じゃないって実感した』


『来週の日曜日衣装合わせ行ってくるね』


『6月が楽しみだ』


『今日はゆっくり休んでください』


『乙女もな、明日からまた始まるぞ』


『はい、おやすみなさい』


元気な声聞けてよかった…私も安心して眠れる



翌日社長に部屋に呼ばれた


『お前が住んでる今の家、ねね達に貸そうと思うんだがどうだ?』


『いいですね、知らない人よりいいですよ』


『昨日ねねから電話あって、乙女が部屋出たあと私達貸してもらえませんかってな』


『子供もできることだし庭付きの家はいいですよ』


『5月末にもううちのマンションに引越してこないか?6月は式の打ち合わせで忙しいだろうし…』


『わかりました。社長がそういうなら喜んで』


これはまた忙しくなる!自分の引越しが終わったら、ねねさん達の引越し手伝わなきゃ


安定期とはいえ激しい動きさせちゃいけない。頑張ってあげなくては


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