人の恋を笑うな
私の家は今異様な空気で包まれている

子供の林太郎君は無邪気にもってきたおもちゃで遊んでいた


『あんた…私に謝る気はないんか』


『携帯勝手にみる奴の気がしれん。俺は浮気なんてしてへんわ』


『だったらあのメールはなんなんよ』


『俺かてわからへんわ。朝まで飲んでたし、男のスタッフもいたんやから』


『わからへんで済む問題ちゃうで?あんた林太郎どないすんねん。酒飲みにいくんはかまへんわ、でも頭には私と林太郎の事いれとけっちゅーねん』


『離婚してもたんやからしかたないやないか…養育費は払っていくわ…』


『それで許されるんか?なんで一言謝れへんのや!あんた追い出した私も短気やけど、あんなメール見てしもた私、めっちゃ惨めやで…』


『石田さん、奥さんまだ離婚届けだしてないですよ?浮気してなくても、石田さんの態度はよくないです。奥さんにきちんと謝ってから未来の事考えましょう』


『自分を売り込みたいから、あんなメールしてくる女、山ほどいるって、誠也さん言ってたじゃないですか…その類いでしょ?』


『マドカ、すまん。俺が悪かった!開き直った俺が悪い!でもこんな仕事してると信じてもらえんこともあると思う。それでもついてきてくれへんかな…俺はやっぱり林太郎が恋しい。毎日写真見て泣いてる…』


奥さんは無言で話しを聞いていた。そしてバックから離婚届けをだすと、私達の前で破いた


『今回は許します。携帯も見ないようにします。そのかわり…朝帰りするときは連絡して』


可愛い!できた奥さんだ


『手打ちとなったところで、うちでご飯食べていきませんか?じゃーん!今晩はお好み焼きです』


『いいですね、石田さんも奥さんもほら!』


私達はワイワイいいながらお好み焼き、もんじゃ焼きパーティーをした


いつの間にか二人の中も自然な感じになっていた


お節介だけど、仲取り持ってよかった

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