人の恋を笑うな
翌日、私達はランチを食べて式場の衣装合わせに行った


白無垢は決まってたけどうちかけが中々決まらなかった


『お姉ちゃん、オレンジ系より赤のほうが似合うわよ』

『そうね、オレンジ系だと顔色さえないかな…』


お母さんと夏子でうちかけはなんとか決まった。後はウエディングドレスだ


流行りのは丈が短いので却下。クラシックなものをチェックした


『私だったらこれだな…』と夏子は図々しく試着してやがる!


『ハワイではこんな感じのドレスにしよう』


私はまるで聖母マリアが頭からかぶっているような、シンプルなレースのドレスを選んだ


あとは社長の着物、袴、えんび服である。男性のものは比較的種類が少なく、簡単に決まってしまった。サイズはだいたい測ってきたものを担当の人に渡しておいた


式場をでるころはもう外は薄暗かった


お母さんと夏子はそのままタクシーに乗って駅に行った


私は帰りに社長のマンションに寄った


仕事からまだ帰ってないようだった


9時までに帰ってこなかったら、私も家に帰ろうと思った


8時半、帰ってきそうもないので、おにぎりを握ってテーブルに置いておいた


『お仕事ご苦労様』とメモを残して私は帰った


今日は疲れた。衣装合わせであんなに大変なら結婚式はもっと大変だろうな…かつらも重かったしさ


私が寝る前社長からメールがあった


【ただいま、今日はご苦労様。今おにぎり食べてるよ。ありがとう】


このメールだけで私はぐっすり眠れる…
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