人の恋を笑うな

今年の夏は暑くて湿気がすごい


クーラーをかけていても扇風機が必要だ


私は少しバテ気味でスポーツ飲料を飲みながら仕事をしていた


仕事と家庭の両立ってかなり大変だなと思った。でも泣き声言うのは性に合わないので、ぐっと堪える


なんとなく…子供の事は言い出せずにいた


まだまだ私も仕事の事あるし、新しい人雇うにも多分中々見つからないと思う



ある朝、私はあまりのけだるさに目をさました


『どうしたんだ？乙女、顔色悪いぞ』


『すごく怠いの…気持ち悪い…』


『大丈夫か？今日は会社いいから。先に病院行くか？送っていくから』


『うん、そうする』


私は着替えて顔を洗った

無性にカルピスが飲みたい！途中コンビニで社長にカルピスを買ってもらった


朝早くいったので診察は早く呼ばれた


『８月はいってからすごく怠いんです。今日は気持ち悪くて目覚めちゃいました』


『あのね、三国ヶ丘さん。妊娠してるよ、おめでとう』とおじいちゃん先生は拍手しながら言った

『あとは産婦人科で診てもらって。これ紹介状』


唖然とする私に先生は白い封筒を渡した


待合室に社長が座っていた…


『どうだった？また夏風邪か？』


『…ごめんなさい！』


『どうしたんだ』


『ホントにごめんなさい』と私は深く頭を下げた

『何謝る必要あるんだ？』


『私、妊娠してる…。仕事忙しい時なのに』


『バカヤロウ！』私は久しぶりに社長に怒鳴られた


社長は会計を済ますと私を車に乗せた


『子供できて嫌がる旦那どこにいる！仕事ならどうにでもなる、今から産婦人科連れていくから』


『私…ねねさんに子供できてうらやましかったんだ…武人さんにそろそろ子供つくらない？って言おうと思ったんだけど中々言い出せなくて』


『わかってやれなくて、すまなかった』


産婦人科の受け付けに紹介状と保険証をだした


社長は会社にいくのを遅らせて待っていてくれた


『妊娠ちょうど一ヶ月ですね。ほら、これが赤ちゃんです』先生が画面の白黒の画像を指差した