人の恋を笑うな
『今日夏子ちゃんきてたのか?』


『あさってお墓参りいくらしいから私もいってくるわ。でね、明日あの子達うちにお好み焼き食べにくるらしい』


『明日は昼過ぎに帰れるから俺も参加できるな』


『泊まっていってもらうわね』


『ああ、そうしたらいい』


社長は少し疲れた顔でネクタイをとると、ソファーに座り缶ビールを飲んだ


『今日一応一人面接したんだ。会社の内容の事は知ってたよ。25歳の女の子だ』


『会社の事わかってきてくれるならいいじゃない』


『一応連休明けに来てくれとはいったけど…経理初めてらしいんだ』


『あらま…一からだね』


私は夕飯のカレーをだした


『どうも前は営業やってて、厳し過ぎて辞めたようだ…うちなんかでつとまるかな』


『経理なんて慣れればなんてないわよ。後はパソコンがあるんだから』


『だといいけど…』


私は自分もカレーを持ってきて一緒に食べた


『子供の分も食べなきゃダメだぞ』


『でもね、食べ過ぎもダメなのよ。自分にばかり栄養がいって、赤ちゃんにいかないことがあるみたい』


『ややこしいんだな』


『検診いって画像みるたび実感がわいてくるな…でもさ…子供できても私のこと乙女って呼んでよね』


『お母さんやママは嫌なのか?』と社長は笑った

『できたらね。欲張りかな…いつまでも恋しててほしいのよ、私に』


社長は大笑いしながら私の頭を撫でた


『そうだな…じいさん、ばあさんになってもお互いのこと好きだっていう恋心もちたいよな』


『でしょ?喧嘩はしてもラブラブでいたいのよ』


社長は二本目のビールを開けた。あ〜私も飲みたい…烏龍茶だけなんて辛い!


< 155 / 180 >

この作品をシェア

pagetop