人の恋を笑うな
29日、実家へのお土産を一緒に買いに行った


お父さんの好きな深川の佃煮や、お酒、おばあちゃんとお母さんには服を買った


そして30日は朝早くに車に乗り込み実家に向かった。都内は混んでて、中々渋滞を抜けることができなかったお昼すぎに実家に向かう道路を走り、思ったより早く家についた


私達は荷物をだすと、玄関に向かった


『ただいま〜!乙女だよ』


私の声に家族がでてきた


おばあちゃんがかけよってきてお腹を摩った

『お帰り、お帰り、今年は3人で帰ってきたね』

『お義父さん、お義母さん、おばあちゃん。ご無沙汰してます。乙女のお腹こんなに大きくなりましたよ』


『お帰り、ああホントだね。こりゃ5月が楽しみだ』とお父さんは手を叩いた


『さあ早くあがってくださいな。こっちは寒いでしょ?』とお母さんは居間のこたつの部屋に私達を通した


『乙女ちゃん、カルピスかい?』


『ありがとうおばあちゃん。カルピス飲むわ』


『今年は夏子がいないから静かよ。喧嘩もできないわね、乙女』とお母さんが笑った


『夏子は私が妊娠してても喧嘩売ってくるんだから…キツイ女だよ』


『淋しいくせに。いないとしょんぼりするんですよ、武人さん』


『でも夏子ちゃんには感謝してるんです。あの時来てくれなかったら…今でも病んでたかもしれません。週末には様子見にきてくれるし、ホントに夏子ちゃんのおかげです』


『まあね…でもやっぱり変わってる。グアバのジュース、4ケースも買ってくるなんてさ、重たいのに』と私は笑った


『私とおばあちゃんにはムームーくれたわよ。お父さんにはアロハシャツとウクレレ…やっぱり変わってるわよね』とお母さんは怪訝そうに囁いた

夜はやっぱり鍋だった。鍋は鍋でもすき焼きだ!


こんなの初めて。ビール、みんなが飲んでるのがうらやましかった


『お義父さん、美味しい酒買ってきたんですよ、どうですか』


『いいね…いただこうかな』二人はグラスに日本酒を注いで飲みだした


そのうたこたつにうつり、二人で酒を飲み交わしている



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