人の恋を笑うな
お正月、お節を食べながらあらためて私の妊娠に乾杯した。今日は特別に私もちいさなちょこに、一杯お酒を入れてもらい飲んだ


『うわあ〜美味しい!』


お節も美味しかった


『今晩は毛蟹たくさんあるからね』とお母さんが言った


『じゃあ俺食べやすいようにさばきますよ。任せてください』


『武人さんは魚とかさばくの得意なの。任せてあげて』


『そう?じゃああまえましょうかね』


お昼過ぎ、茂徳から電話があった


『おめでとう、茂徳。どう?そっちは』


『めでたく出産終わりました』と茂徳は笑ってる

『え?もう産まれたの?』


『昨日の夜急に陣痛がきて、今でてきた。元気な双子の女の子だよ』


『よかったね、ねねさんは?』


『めちゃくちゃ元気!心配しないで。また連絡するよ』と茂徳は電話を切った


『武人さん、ねねさん今産まれたって、双子の女の子。母子とも元気』


『そりゃよかったな。お祝いしなきゃ』


『あら昨日言ってた?』


『そう、茂徳とねねさんもパパとママだ…私も頑張らなきゃ』


夕方、社長は見事な包丁さばきで蟹の殻をそいで、食べやすくしてくれた


お父さんと社長は甲羅にお酒を入れてあぶり、甲羅酒を飲んでいた


『最高ですね、お義父さん』


『至福の時だね、武人君』


私達は無言で蟹を食べている


『しばらく蟹食べれない』そのくらい量があった

『ばあちゃん、もうまいった!』とおばあちゃんが食べるのをやめた


『私も…』とお母さんも

私はまだむしゃむしゃと食らいついていた


『二人分だからね』と言い訳がましく…


楽しい正月がすぎ、私達は3日には東京に戻ることになった


『じゃあお母さん、今度は夏子の披露宴でね、1月27日よ』


『わかってるわよ。あんたも油断しないようにね。なんかあったらすぐ病院よ?』


私は頷くと武人さんと家を出た


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