人の恋を笑うな
2月に入り、社長とねねさんを訪ねた


赤ちゃんが泣いていてにぎやかだった


茂徳とねねさんがお互いあやしてる


『元気そうな赤ちゃんですね』


『お昼はよく泣くんだけど夜は意外と静かで助かってるのよ』


『オッパイのミルクと粉ミルク両方で飲ましてるんだ』


『大変だな。一気に二人だもんな』と社長は赤ちゃんの頬を触った


『この先産めるかどうかわからないから、二人できたのはラッキー』とねねさんは笑った


二人は幸せそうに眠った赤ちゃんをベットに寝かせた


そして私達に紅茶をいれてくれた


『あれから調子悪くなる事ない?』


『全然、元気にお腹蹴ってきますよ』


『よかった』とねねさんは私のお腹を触った


『これからが俺とねねの本番なんだと思う。父親として頑張らなきゃ』


茂徳は父親の顔になっていた


社長はそんな二人を眺めながら満足そうな顔をしている


5月には社長も茂徳と同じ顔になるだろう、私はねねさんみたいになれるかな…不安はないけど、少しくすぐったい気分にはなった



マンションに帰り、しばらく二人ぼーっとしていた


『5月なんてあっという間だよな』


『ほんとね。連休あたりになるから4月末にはお母さんに家きてもらっていいかな』


『そうしてくれ。決算で忙しくなると思うから、お義母さんにいてもらうほうが安心だからな』


今私達はお腹の子供の事で頭がいっぱいだ


今はお互いこの子に恋してる
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