人の恋を笑うな
マンションはすぐにわかった


『ローズガーデン305号室』


私はねねさんの部屋の呼び鈴を押した


女優さんなのかな…こんな可愛いワンルームの部屋に住んでるなんて


『はぁい…』とドアが開いた


ドアの向こうに立っていたのは、30代後半の少しポッチャリした可愛い女性だった


『あの三国ヶ丘社長から預かり物持ってまいりました!』


『わざわざ?郵便で送ってくれたらよかったのに…。あ、あがってくださいな』と彼女は私を玄関に招きいれてくれた


『私、ここで…』

『そんな事言わないで。美味しい紅茶いれるから。ね?』


私は図々しく上がると薄いブルーのソファーに座った


ねねさんは、アメリカの雑貨のようなティーカップを私に出してくれた


『ハーブティー。爽やかだから』とねねさんはニッコリ笑った


美味しい!ミントが鼻と口にひろがって…


『カップはね、アメリカのアンティーク食器なの。可愛いでしょ?』


ワクワクしながら私を見る彼女は少女のようだった
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