人の恋を笑うな
日曜日、私は茂徳のマンションを訪ねた


『よお、天然。なんだよあのメールは』


『社長に言われたからよ。お前天然だなって…後輩にそっくりらしい』


『昔からだったぞ。結婚って聞いてホントにできるのかな…って心配したけど』


『私、もう結婚なんてトラウマ!一生独身通しそうで怖いくらいよ!って事でお昼食べに行かない?茂徳のおごりでさ』


『…図々しい奴だな。まあいい。美味しいレストランあるから連れてってやる』


茂徳は着替えると私をバイクに乗せてくれた


そのレストランはガーデニングが素晴らしかった

庭にもテーブルがあり、すごくお洒落


『うちのインテリア、ここで使ってもらってるんだよ。この前北欧に勉強しに行った奴のデザイン』


『すごいお洒落!さすがセンスいいな…』


私達は中に入り、テーブルについた。メニューの値段は安くて、若いカップルでいっぱいである


『私は…日曜ランチってのがいいな。茂徳は?』


『俺もそれ。日曜の一番のオススメだ』


『そうなんだ。よくくるの?』


『くるよ。仕事で近くに来たら寄るし、日曜の昼はいつもここさ』


『可愛い子でも働いてるわけ?』と私はメニューを見ながら笑った


『うん…まあな…』


『マジで?やだ!いつからよ』


『そんな大袈裟なもんじゃないって…』


『ウエイトレスさん?』


『違う…中で働いてる人』


『へええ』と私は意地悪く笑った


厨房はオープンだったので、私は中を覗きこんだ。するとその中にみたことのある顔が…


ねねさん!


え?茂徳の好きな人ってまさか?私はねねさんを指さした


『うん…』と茂徳は顔を赤くした
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