人の恋を笑うな
翌日、日曜日だったため、私は要の部屋に泊まった


お互い好きな相手がいるくせに抱き合う、キスをする…


そうしないと切なくてやり切れないのだ


大人はめんどくさい


大人は回りくどい


大人は実は子供より純粋だ


『ねえ…クーラーくらい直してよ。暑い〜』


『明日、明日で今日まできちまった…扇風機で我慢して』


私は朝からビールを飲みながら扇風機の前に座った


『要の好きな人って仕事場の人?』


『違うよ』


『どんな人なの?』


『可愛い奴。無邪気で天然で結構美人』


『綺麗な人なんだ。男の人は美人に弱いね』と私は笑った


『性格がいい。気もつかわないでいいし』


『理想的だね。私もそういう人探すほうがいいのかもね』


まあ多少の緊張感は男女の間には必要だけど、素直になんでも話せる人は理想的


『なあ、乙女。また一緒に暮らさないか?』


『何いってんのよ。要に好きな人いるのに転がり込むわけにいかないじゃない。馬鹿ね』と私は笑った


『乙女が好きなんだ。別れたあともずっと未練あった。お前から連絡あったときは、縁かなと思ったよ』


私はビールを吹き出し、慌ててタオルで床を拭いた
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