人の恋を笑うな

『木村要って覚えてる？』


『お前と同棲してた奴だろ？』


『最近、再会というか…よく飲みに行ったりしてるのよ』


『確かテレビ局に勤めてたよな』


『その要に、今日プロポーズ的な事言われた…』


『プロポーズ！』


『もちろん私があの会社で勤めていることも、全部知ってるわけで…それ引っくるめて、将来の事見据えて一緒に住まないかって…』


『承けたほうがいいんじゃないか？まあ一緒にすむのは後にして、もう一度付き合ってみるのはダメなのか？』


『最近は仕事も安定してるし、いい人だし…私も心揺れ動いてはいる…でも…』


『なにがでもだよ』


『実は…片思いしてる人がいて…あの…』


『はああ？誰だその相手？ガキみたいな事いってないで現実みろよ』


『ｼｬﾁｮｳ…』


『何？声が小さいよ』


『社長…』


『どこのだよ』


『うちの社長ダヨ！』


『お前…仕事続けてるのは…今の会社にしがみついてる理由はそれか！』


『はいぃ…』


容赦ないげんこつが私の頭にめりこんだ…