人の恋を笑うな
マンションに戻りベランダを開け、空気を入れ換えた


もう8月も終わりである


秋に近づいてきた風が私の髪を揺らした


失恋してバッサリきった髪ももう肩の下だった


バタバタとした数年だったくせに、私は今ここに落ち着いている


12月がくるともう半年がきて、正社員にもなれる。そしたら小さな部屋借りてそこに引っ越そう



月末、私は経理の仕事で大変だった。社長も外にでて帰ってこれない


朝から給料の支払いで私は銀行に行き、スタッフの口座に給料を振り込んでいた


午後からは今月のシメの計算やらでパソコンとにらめっこ…お昼にもありつけてない


気をつかって、スタッフが私に手巻き寿司とお茶を買ってきてくれた


私は手巻き寿司片手になんとか月末を乗り切った!時間をみたらもう夜の8時だ


今日はもうコンビニでお弁当買って一人飲みしようと思った


帰り支度してると、社長が帰ってきた


『お帰りなさいませ』


『まだ仕事してたのか。お疲れさん』


『社長はまだ仕事ですか?』


『9月の予定たてなきゃな。スタジオ入りの女優のチェックだ』


『頑張ってください。お先に…』


社長はまだまだ仕事かぁ…私はコンビニのはずが、ついついねねさんのお店にまた足を運んでしまった
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