人の恋を笑うな
『アラビアータとシーザーサラダとアイスコーヒーください』


私はウエイターさんに注文すると持っていた雑誌を読んだ


もう忙しい時間帯はすぎたのか、人はまばらだった。雑誌には茂徳の会社で扱ってる家具が紹介されている


貯金たまったら欲しいソファーがあった


12月引越したら買うつもりにしている


まともな食事にありつけたのは今が初めてだ


辛めのアラビアータについつい私はビールを注文してしまった


サラダも美味しい。この店は何食べても当たり外れがない


『乙女さん』と私のテーブルにねねさんがやってきた


『あのね…あの…乙女さんと西条君は恋人同士じゃないよね?』


『違いますよ!』


『明日私、休みなんだけど…お食事誘われてるの…嬉しくてOKしちゃったから…』


『あいつ稼いでるから、ガンガン美味しいもの食べてきてくださいよ』


『あの…私ったら年甲斐もなく…浮かれてるんです』


『年甲斐なんて…関係ないです』


『西条君と話しするとホッとするんですよね…なんかこう会話で羽目を外しちゃうというか…楽しいんです…乙女さんには、恋なんてしばらくしないなんていったけど、私…多分…いえ、はっきりいって彼に恋しています』

ビールが器官に入って、咳がとまらなかった…
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