人の恋を笑うな
『乙女の妹さんは地元?』


『夏子は実家でピアノ教室してるんですよ。東京にいるころはバイオリンでオーケストラにいたんですよ。一族で1番才能ある子です』


『そりゃすごいな…』


『それだけが取り柄ですから』


『夏子さんはバイオリンからなんでピアノ教室なん?もうバイオリンは弾かへんの?』


『…私にも事情あるんです』途端に夏子の顔色が変わった…怖い


『ふぅん、そうなんや。このレストラン、ピアノあるからなんか弾いてーや!店長に俺頼んでくるから』


夏子の目が光った!ヤバイ!


『ちょっとあんた!さっきから失礼な事ばかり言って!ピアノなんか弾かないわよ』


『まあまあそんなに怒らんでも。冗談に決まってるやんか。ねえ、乙女さん』


『そうよ、夏子。何一人で怒ってるのよ…』


『コイツが失礼な事いうからよ!』


『夏子!』


『隼人ふざけすぎだぞ。すまなかったね、夏子さん』


社長が間に入ってくれて夏子の機嫌も直った


ところが…この隼人さん…それさえ無駄にする


『夏子さん、威勢がええなあ…俺はあんたみたいなやんちゃで気の強い女が大好きや!これからも椎名隼人をよろしく!』と夏子に無理矢理名刺を握らせた


夏子は烈火の如く怒り、レストランは修羅場と化した…


おいおい…隼人さん空気読もうよ


夏子もいつからそんなにイライラ女になったんだ?私は社長に口パクで平謝りした


ところが社長は二人を見ておもしろがっている…さすが社長、ハートが強い
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