人の恋を笑うな
『夏子ったらどうしたのよ!あんなに興奮して』


『あの馬鹿男、元カレのノリにすごく似てるのよ!しかも私からかって!絶対許さない』


『いいじゃない、ノリが似てるくらい目をつぶりなさいよ。それに社長の弟なんだから少しはよいしょしてよ』


『お姉ちゃん…あの人カタギじゃないわよね…』


『カタギって…普通の社長さんに決まってるじゃない』


『あれが食品会社の社長になんて見える?よくみてインチキプロダクションの社長か悪く見て闇金の社長じゃない!

やっぱり東京にきてよかったわ。お姉ちゃん、会社の事でなんか隠してるでしょ!』


『あんたもしかして、お母さん達の差し金で、私の事調べにきたの?おかしいと思ったのよ…うちにくるなんて…いやらしいわね!』


『いったいどんな会社に勤めてるのよ!』


『食品会社って言ってるでしょ!』


私達は子供に戻ったみたいに、取っ組み合いの喧嘩をした


『指に怪我させたら訴えてやる!』


『そっちこそ私の足になにかしたらピアノぶっこわしてやるから!』


10分くらいたった時私の携帯が鳴った。私は夏子を突き飛ばすと携帯に出た


『乙女か?俺だ』


『社長…あ…どうしたんですか』


『隼人が悪い事したな。妹さんせっかく東京に遊びにきたのに。謝っておいてくれ』


『そんな…大丈夫です。こちらこそすみませんでした。夏子少し疲れてたみたいで…いつもはおとなしくて静かな子なんです』


『隼人も少しはしゃぎすぎて。夏子さんみたいな女の子がタイプなんだよ。照れ隠しであんなことになったって反省してるよ』


携帯で話してる私を夏子は冷たい目で見ていた…猫娘みたい…
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