『…ふぅー』





「すげーな!」




突然の声に驚いて顔をあげる。



『憲ちゃん!!!』


「よっ!」


そう言いながら席を移動してきた。

隣の席で背を向けて座っていたなんて…



『気付かなかった』

「俺、ここのコーヒー好きでさ。よく来るんだ」


『全部聞いてたの?』


「あぁ。」


『……』


「いやー!怖いなぁ。
あんな子だったなんて!騙されたー」


『…憲ちゃん。』


「おっと…待った!
まさか光には言わないでって言うんじゃないだろうな?」


『……』


「なんでだよー?」


『昔、一度でも好きになった人が…あんな人だって分かったら、光が傷つくわ』


「ハァー…、でもこのままだと美雨が傷つくかも知れないだろ?それだけは許せねーな」



『憲ちゃん。私…』


「ん?」








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