第16章

見守りし者

憲二 由美side



「で、どうだった?あっちは??」


『そりゃ、スゴかったわよ!!』




それから由美が機関銃のようにしゃべりだした。






五年ぶりに訪れた以前の職場では、美雨が来るということで、仕事をすべてストップし、パーティー会場の様に飾り付けが行われていたそうだ…。





『昔、美雨を可愛がっていた懐かしい顔が勢揃い!
もう退職した人も…
違う事務所に移った人も…みんな集まってたわー!』


「そりゃ、スゴいな。」


『んもー!あたしも田中さんも、(お!元気か?)ぐらいで、ほったらかし!』


「あはは!」



『みんな…美雨を抱きしめて離さなかったわ…
本当に心配してた…
みんな泣いちゃって…』



「美雨は本当に幸せ者だな。」



『ええ。本当に…』



「ようやく歩きだしたな」

『光のおかげね』


「ああ……。」


『どうしたの?』


「うん、そろそろ光にちゃんと話してやらないとな」

『…そうね。』


「もう、二人とも大人なんだ。大丈夫さ。」


俺達からちゃんと光に説明しよう…



美雨のすべてを…






< 132 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop