ランチとオレンジ


カフェに着くと由美ちゃんが手を振っていた。


「コッチ、コッチー!」


『由美ちゃん!?

声が大きいよ、みんな見てる!』



「アハハ、美雨が可愛いから見てるんだよ。」


『もう!』


「とりあえず何か頼もう」


しばらくメニューを眺めたところで由美ちゃんが店員を呼んだ。



「アタシは、このトマトパスタと
ブラックで!美雨は?」


『コッチのクリームパスタと、
んー…オレンジジュース』



店員が行った後、
由美ちゃんは不思議そうな顔をしていた。



『ん?』 


「いや、美雨がオレンジジュース?

めずらしいなぁって思ってさ。
それより今の店員、
イイ男だったわねー」



『見てなかった…』


「ハァー、あいかわらずね」

ひとしきり近況を報告しあうと、美味しそうなパスタが運ばれてきた。








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