青
「でっ?何があったの?」
由美ちゃんが、このパターンで聞いてくる時は、
言うまで解放されない事を長年の付き合いで悟っている。
『この前…
公園を散歩したんだ。
男の人と…』
「えっ?チョット待って!
何?知ってる人?
まさか初めて会った人?」
『初めて会った人…
彼の犬も一緒に。
でもね!でもね!
ワンちゃんとは、
前に会った事があったの。
その時は、
彼のお母さんが散歩してて
…エット… 』
「待って美雨。
別に言い訳するみたいに
言わなくてイイのよ。
スゴイじゃない!」
『んー…』
「それよりどんな子なの!美雨が散歩する程って!」
『…28才だから二つ下で、
優しくて、楽しくて…
落ち着いて…
笑うとドキドキして、
時々可愛くて…』
「そっか!嬉しいな。
美雨が…
人を好きになる事が出来て…」