愛しい人




美雨の瞼が静かに開いた



まだ完全に眠りから覚めていないのだろう…

虚ろな目で横に腰掛ける俺を見ている。





『…泣いてるの?』




美雨の手のひらが

俺の頬を撫でた。



『…光。ごめんね』




「なんで…?

なんで美雨が謝るんだ…」





美雨の頬に、
また雫が零れ落ちる…




『…傷…見たでしょ?


ごめんね……


もっと早く言わなきゃいけなかったのに……

隠したまま彼女になっちゃ駄目だったね…


舞さんの言う通り…


イヤだよね…

こんな傷がある女なんて…

光にちゃんと伝えるって…
全部伝えるって…』



「美雨。もういいんだよ。

憲二さんと由美さんから全部聞いた」








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