青
憲二の思い
憲二は光の事を考えていた
「上手くいくかなぁ…」
光とは、もう何年も前に
知人の紹介で知り合った。
出会った時は…
雷に打たれた気がした。
純粋で…
うまく言えないが、
大人になるにつれて無くしていく、何かを持っている男だった。
俺は光をすぐ気に入り、
飯に連れて行ったり、
由美と三人で
いろんな事をして遊んだ。
今では本当の弟の様に
思っている。
けれども…
そんな光が
ひどく落ち込んだ時期が
あった。
当時、光は会社勤めで、
彼女も居た。
たぶん…
光の様な人間は
会社という組織には
合わないのだろう…
大人になればなる程、
汚い鎧を身につけていく
人達の目には
眩しすぎたのかも
知れない…
光から生まれるアイデアや
発言を妬んだ仲間に
裏切られたのだ。
それでも、光は
裏切られた事実を
信じなかった。
しかし…
裏切った奴と、
自分の彼女が浮気してた事を知った時…
光は両方
捨てた…。