腕の中に居る彼女は、
何が起ったのか
まだ理解出来ていないようだ…



俺はケガをさせずにすんだ安堵感でいっぱいだった。



キツく抱きしめ直し

息を吐いた




「…間に合って良かった」






本当に良かった…


守る事が出来て…



すると腕の中の彼女が顔を上げた


俺も顔を上げた瞬間





鼻先が触れる距離で

目が合った……





「『…』」




ん?…



あぁ…


緊急時とはいえ…

俺はなんて事をしたんだろう


脚立から落ちた彼女を
抱き止めたまではいいが、
抱きしめ直したのは…


明らかにおかしい…


少し落ち着きを取り戻し、こうして考えている間も

抱きしめたままだ…



このまま、離したくないという気持ちまで膨らんできている…







俺じゃダメなんだろうか?






恋人として抱きしめる事は




この先、待っていてくれるだろうか…









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