青
第8章
変化
美雨side
『いらっしゃい!』
「いらっしゃいました!」
今日は由美ちゃんが遊びに来た。
「あれ?美雨?
何か、いい事でもあった?」
うーん、さすが…
「ちょっと、言いなさいよー!」
『…新しい家具が増えて嬉しいからかな?』
「ふーん…まぁ、いいわ。今日のところは見逃してやるか」
あっさりと由美ちゃんが諦めてくれてホッとした。
あの日の事を思い出すと顔から火が出そうだ…
それから、楽しくお茶をして時間が過ぎていった。
由美ちゃんが帰った後、
本来の静けさを取り戻した部屋で、真新しい椅子に腰掛ける。
お気に入りの机を触りながら一人微笑む。
あの日は楽しかった。
一緒に本を整理したり、
一緒にカレーを作ったり、
お腹が鳴った時、可笑しくて吹き出してしまった。
彼が少し拗ねた様に口を尖らせた時、逆に抱きしめてあげたくなった…
そっと、頬にキスすると彼は嬉しそうに微笑んだ。
二人でカレーを運び、
おいしい、おいしいと食べる彼は子供の様だった。