『お題』ください。短編小説の種になります
言いながら、店主はヨウカの背中を見た。

「痛み止め、効きましたか?」

ヨウカは店主を見上げると、ニッコリ笑って、立ちあがった。

頭まですっぽり覆っていたショールをとる。

金髪がこぼれて、その下には、血まみれの、背中があった。

翼が、むしられた跡。

「うん。よく利いてる。ここに駆け込んでよかった。

痛み止めは利いたし、ザクロの子からは逃れられたし」

「そうですか。

…天使に、戻る方法はないのですか?

ここは、こんな店です。そんな魔法があるのなら、必要なものはここでそろうかもしれませんよ」

「そうだね。けど、もう天使は嫌だ。

こうやって、せっかく天界と地上のはざまに落ちてこられたんだから。

これから楽しむんだ。

でも、ザクロの子にはここにいること、絶対に言わないでよ。言ったら…」

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