『お題』ください。短編小説の種になります
「サクラは、ぱっと咲いてぱっと散る。

滅びの美学っていうのかな。

すぐにその姿をなくしてしまうことが分かっているからこそ、そこに美しさを感じるんだよ。

この島のように、くっきりとした自然の中じゃない。

あいまいな色彩の微妙な自然の中で、日本人は、あの白い花びらを”ピンク”と感じてる」

マルグレッドは、頭を抱えた。

『また、訳のわからないことを言っている』

その上、ウルカは、今度は組んだ足を、ハンドルにかけていた。

ムカついてはいたが、マルグレッドは、タメイキでそれを逃がした。

「アルフはね、極力傷をつけないようにした遺体に、その花びらを、きれいに散らしていたんだ。

どうせ滅びるもの。

それを、きれいな瞬間で切り取って、永遠にする」

「死んで、永遠か?」

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