『お題』ください。短編小説の種になります
クイナはちらりと店主の頭上をみた。

「ああ」

店主は、踏み台に乗ると、その、崩れた箱を下ろした。

中から赤い玉の付いたネックレスが見えている。

「これが気になるのですか」

「ええっ。でも、お金ないから」

「いいですよ。これは余っているものなので。差し上げます」

クイナの顔が華やかに笑みを作る。

「天使は、まだ、探すのですか?」

クイナには、む、聞こえてないようだった。

ネックレスを手に取ると、うっとりと眺めて、首にかけ、そのまま店を出て行った。
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