『お題』ください。短編小説の種になります
分厚い、そざいの色そのままの、麻色のショールを纏った人物が、店主を見た。

さっき、あわてて店の奥にかくまった子だ。

どうやらヨウカという名前らしい。

「ザクロの子は行きました」

「良かった」

店主の足元に、ヨウカは崩れ落ちた。

「何で逃げるのですか?」

「ザクロの子をつい人間にしてしまったのはいいんだけど、あれって、仮の姿で、そのうち溶けてなくなるんだよ。

それを防ぐには、自分を人間にした天使を喰らえばいいんだけど。

多分、あのこはまだ、それに気付いてないんだ。

本能的にあたしを追いかけていて。

でも、見つけたら、突然それに、やっぱり本能的に気付いて…パクッって」

「それは、逃げますね」



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