「大キライ」の恋。
---アタシは塔子からのメッセージに
気づかず、電車に乗って学校を
目指していた。


(ふぅ~・・・今日はツイてないよ。)


バッグから烏龍茶のペットボトルを
取り出し、のどを潤して、
アタシは終点の駅まで眠る事にした。


---それからどの位の時間が
経ったのだろうか?
寝ているアタシを誰かが体を
揺すっている。


「・・・はた、中畑!おい!」
「ん・・・何?ママ・・・。」
「ママぢゃねぇよ、おい、起きろ!」


誰よ、アタシの眠りを妨げる人は・・・。


睡魔と闘いながら、その声の主を
確認する為に、アタシは
渋々目を開いた。


(・・・!原口豪・・・)


目の前に、原口豪が座っていた。
何で、今、ここに・・・。
アタシの思考回路がうまく
回らない。


すると原口豪が、口を開いた。


「ったく、何やってんだよ、オメーは。」
「え?あ、は、原口、何で今電車に
乗ってるの?どうしたの?」
「あ、俺昨日部活で怪我してさ、
病院行って来たんだよ。」
「え?あ、怪我?大丈夫?」


良く見ると右手に包帯が巻いてあった。


「あぁ、ちょっと縫ったけど。大丈夫。」
「ふぅん、そっか。」
「ってか、次終点だぞ。爆睡してたから、
一応起こしたけど・・・。」
「あ、ありがとう。ごめんね。」


アタシは寝顔を見られたのが
照れくさくて1人どぎまぎして
しまった。





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