「大キライ」の恋。
---改札を出て、原口豪は
「ちょっと待ってて。」と
駅に置いている自転車を取りに行った。


そして、
「中畑、お前まっすぐ学校行く?」
アタシに一言そう言った。


「え?あ・・・コンビニ寄って
お菓子と烏龍茶買ってくよ。」
「そ、俺も昼飯買って行くわ。」
「あ、じゃぁそこのコンビニでいい?」
「おう。」


そんな会話をしてアタシ達は
2人でコンビニに入った。


アタシは、休み時間食べるパンと
キャンディーと烏龍茶を手にした。


「おい、そんなに食うの?
弁当もあるんだろ?デブるぞ(笑)」
原口が唖然とした顔でアタシに言う。


「だって、お腹空いたら
勉強できないぢゃんよ。」
「食いしん坊だな、お前。
しかも必ずアメ買うんだな。」
「そうだよ、アタシ、キャンディー
大好きだもん!あ、原口も
食べる?虫歯治ったんでしょ?」
「おう、後でもらうわ。」
「今回はちゃんとキャンディー
貰ってよね(笑)」
「わ、分かってるって、
まだあの時の事、根に持ってんの?」
「いやぁ、別に。」
「・・・持ってるぢゃん。」


2人でレジに並んで、
買い物を済ます。


何か、たった1日でこんなに
原口豪と打ち解けてる、アタシ。
きっと今日遅刻してなきゃ
こんな偶然生まれてなかったんだ。
何か不思議だなぁ・・・。


アタシは今日の出来事を
一生忘れない。


理由は分からないけど、
そう思ったんだ。


「おい、中畑!4時限目、
間に合わなくなるぞ!!」
「あ、やばっ!!」
「乗れよ、仕方ないから
チャリの後ろに乗せてやるよ。」
「えっ?あ、アタシ重いから
いいよ、走る!!」
「ぢゃぁ、荷物全部持ってやるよ。
走れ!!」
「うん!!」


アタシ達は学校を目指した。






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