「大キライ」の恋。
---はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・


も、もぉダメ・・・、
は、走れない(涙)↓↓。
アタシは息切れがひどくて
ついに歩き出した。


「原口ぃ~・・・も、アタシ限界!」
「あ~??」
アタシのちょっと前を自転車で
走る原口豪が止まって振り向く。


「全く、体力ないなぁ、お前。
よし、俺走ってやるから、
お前チャリに乗れよ。」
「・・・ありがとぉ。
ぢゃ、遠慮せずに・・・。」


原口の自転車に乗る。


でもアタシはその時何故か
こう思ったんだ。


(学校に着けば、この時間が
もう終わる・・・)


そう思ったら、また自転車から
降りて引き始めたんだ。


「・・・おいっ!やばいぞ、
もぉ間に合わないぞ、4時限・・・。」
「だ、だってさ。今授業中に遅れて
教室に2人入って行ったら
ま、まずくない??誤解されるべ?」
「偶然なんだし、別に良いぢゃん。」
「そ、そうなんだけど・・・
アタシ、無断で遅刻しちゃってるし。」
「俺も無断だけどさ。」
「皆に冷やかされそうだから、
ね、どっちかが先に学校行って、
もう1人が4時限目終わってから
学校に来るってのは?どぉ??」
「・・・分かったよ、俺、
家近いから時間潰して学校行くよ。
それでいいべ?」
「・・・うぅ、ホントごめん↓↓」
「いいよ、ぢゃ、これお前の荷物。
ぢゃあな。」
「あ、後でねぇ~!!!」


原口豪は、こっちを振り向かずに
家があるらしい方向へ自転車で
突っ走って行った。


(あ、そっか。怪我して隣町の病院に
行ってたって事か・・・。)


普段電車に乗らなくても良い人が、
怪我でたまたま電車に乗って・・・。


そんな「偶然」がアタシはやっぱり
信じられなくて、心の中で感動していた。


「あ、ポケベル。全然チェック
してなかったや。」

アタシは思い出したかの様にバッグの
中からポケベルを出した。


「あ、塔子からだ・・・げっ!!
何このメッセージ!!」


「アンタイマゴウトイルノ?」


アタシは塔子は透視能力とか
予知能力があるんぢゃないかって
本気でびっくりした。
< 14 / 19 >

この作品をシェア

pagetop